このページについて

実家のことを考えようとしても、何から手をつければよいかわからないことがあります。

親が高齢になってきた。施設に入った。実家が空き家になりそう。荷物が多い。兄弟姉妹と意見が合わない。固定資産税や火災保険が気になる。売るか、貸すか、残すか、まだ決めきれない。

このようなとき、最初から結論を出そうとすると、考えることが多くなりすぎます。

まずは、売る・片付ける・相続する前に、今の状況を分けて整理してみましょう。

このページは、実家と家族の状況を見える化するための入口です。すべてを一度に埋める必要はありません。わかるところから確認していけば大丈夫です。

1. 親の状況を整理する

まず、親の現在の暮らしや希望を整理します。

確認したいことは、たとえば次のような内容です。

  • 親は現在どこで暮らしているか
  • 自宅で生活しているか
  • 入院中か
  • 介護施設や老人ホームに入居しているか
  • 今後、実家に戻る可能性があるか
  • 親は実家をどうしたいと話しているか
  • 親が残しておきたい物はあるか
  • 重要書類や貴重品の場所を親が把握しているか

親に直接聞きにくい場合は、いきなり「家を売るか」と聞くのではなく、暮らしや困りごとの話から始める方法もあります。

  • 家で気になっていることはある?
  • 残しておきたい物はある?
  • 大事な書類はどこにある?
  • 施設での生活に慣れてきた?
  • 家に戻りたい気持ちはある?

親の意思や体調によって、聞けるタイミングは変わります。無理に一度で聞き出そうとせず、少しずつ確認していく形でも構いません。

2. 実家の状態を整理する

次に、実家そのものの状態を確認します。

売るか、貸すか、残すか、保留するかを考える前に、今の家が安全に保たれているかを見ることが大切です。

  • 実家に現在住んでいる人はいるか
  • 空き家になっているか
  • 郵便物がたまっていないか
  • 換気できているか
  • 雨漏りや水漏れがないか
  • 電気、ガス、水道の契約状況はどうなっているか
  • 庭木や草木が伸びすぎていないか
  • 近隣に迷惑がかかっていないか
  • 玄関や窓の鍵、防犯面に不安がないか
  • 火災保険が継続しているか
  • 固定資産税の通知や支払い状況を把握しているか

空き家に近い状態の場合は、「今すぐ売るかどうか」よりも先に、「誰が、どの頻度で、何を見に行けるか」を確認しておくと安心です。

3. 名義や書類を整理する

実家の名義や重要書類は、後から必要になることが多い部分です。

ただし、名義、登記、相続、契約、税金については、個別事情によって扱いが変わります。このページでは、あくまで「何を確認するか」の整理に留めます。

  • 実家の名義は誰になっているか
  • 固定資産税の通知書は誰宛てに届いているか
  • 登記に関する書類はどこにあるか
  • 火災保険の契約内容はわかるか
  • 通帳、印鑑、保険証券などの保管場所はわかるか
  • 親が契約しているサービスや支払いは把握しているか
  • 親の判断能力に不安がある場合、相談先を確認しているか

名義や相続、契約に関する判断が必要な場合は、司法書士、税理士、弁護士、自治体などに確認してください。

4. 荷物と重要な物を整理する

実家には、生活用品だけでなく、思い出の品、写真、仏壇、重要書類、貴重品などが残っていることがあります。

最初から全部を片付けようとすると、体力的にも気持ちの面でも負担が大きくなります。

まずは、捨てる前に分けることを意識しましょう。

  • 親が今後使う可能性がある物
  • 親に確認したい物
  • 家族で相談したい物
  • 重要書類の可能性がある物
  • 通帳、印鑑、保険証券などの貴重品
  • 写真、アルバム、手紙
  • 仏壇、位牌、神棚、宗教関係の物
  • 処分を検討できる物
  • 自分たちだけで判断しにくい物

処分に迷う物は、すぐに捨てず、「家族で確認する箱」や「写真を撮って共有する物」として分けておくと進めやすくなります。

5. 費用と維持費を整理する

実家をすぐ売らない場合でも、維持費はかかります。

年単位で見ると、思っている以上に負担になることがあります。

  • 固定資産税
  • 火災保険
  • 電気、ガス、水道の基本料金
  • 庭木の手入れ、草刈り
  • 修繕費
  • 片付け費用
  • 空き家管理サービス費用
  • 実家へ行く交通費
  • 親の施設費や生活費との関係

費用は、誰が支払っているかも整理しておきましょう。

誰か一人が立て替えている場合、後から家族間で負担感が出ることがあります。金額、日付、支払った人、内容をメモしておくだけでも、後の話し合いがしやすくなります。

6. 兄弟姉妹・親族の状況を整理する

実家の扱いは、兄弟姉妹や親族との関係にも影響します。

意見が違うこと自体は珍しくありません。大切なのは、最初から結論を急がず、何について意見が違うのかを分けて見ることです。

  • 兄弟姉妹はいるか
  • 実家の状況を共有しているか
  • 実家に近い人、遠方の人は誰か
  • 管理や片付けを担っている人は誰か
  • 費用を負担している人は誰か
  • 売る、貸す、残す、保留について考え方が違うか
  • 家族会議を開けそうか
  • 第三者に相談した方がよさそうか

感情と事実を分けて整理すると、話し合いの論点が見えやすくなります。

7. 急ぎ度を整理する

実家の問題には、すぐ対応した方がよいことと、少し時間を置いて考えられることがあります。

たとえば、次のように分けてみます。

早めに確認したいこと

  • 郵便物がたまっている
  • 水漏れや雨漏りがある
  • 近隣に迷惑がかかっている
  • 防犯面に不安がある
  • 固定資産税や保険の支払い状況がわからない
  • 親の判断能力や契約に不安がある

時間をかけて話し合えること

  • 売るか残すか
  • 荷物をどこまで片付けるか
  • 家族でどう費用を分担するか
  • 将来誰かが使う可能性があるか
  • 思い出の品をどう残すか

急ぐことと、急がなくてよいことを分けるだけでも、不安が少し整理されます。

8. 相談先候補を整理する

家族だけで判断しにくい場合は、相談先を分けて考えると整理しやすくなります。

  • 親の暮らし、介護、施設生活:地域包括支援センター、ケアマネジャー、自治体の福祉窓口
  • 名義、登記、相続前の確認:司法書士
  • 税金、贈与、売却時の税務:税理士
  • 家族間トラブル、契約、法的判断:弁護士
  • 売却、賃貸、査定、管理:不動産会社、自治体の空き家相談窓口
  • 片付け、不用品、遺品整理:片付け業者、遺品整理業者
  • 空き家の見回り:空き家管理サービス、地域の事業者

このサイトは、専門家の代わりに個別判断を行う場所ではありません。

ただし、相談前に「何がわかっていて、何を聞きたいのか」を整理することで、専門窓口にも相談しやすくなります。

整理項目

以下は、実家の状況整理に使える項目です。

親の状況

  • [ ] 親は現在どこで暮らしているか確認した
  • [ ] 親が実家に戻る可能性を確認した
  • [ ] 親が実家をどう考えているか聞いた
  • [ ] 親が残したい物を確認した
  • [ ] 重要書類や貴重品の場所を確認した
  • [ ] 親の体調や判断能力に不安がある場合の相談先を確認した

実家の状態

  • [ ] 空き家かどうか確認した
  • [ ] 郵便物の状態を確認した
  • [ ] 換気、水回り、雨漏りを確認した
  • [ ] 庭木や草木の状態を確認した
  • [ ] 近隣に迷惑がかかっていないか確認した
  • [ ] 防犯面を確認した
  • [ ] 火災保険の契約状況を確認した
  • [ ] 固定資産税の通知・支払い状況を確認した

荷物・書類

  • [ ] 重要書類の場所を確認した
  • [ ] 通帳、印鑑、保険証券などを確認した
  • [ ] 写真、アルバム、手紙を分けた
  • [ ] 仏壇、位牌、神棚などを確認した
  • [ ] 親や家族に確認する物を分けた
  • [ ] 処分を検討できる物を分けた

家族・費用

  • [ ] 兄弟姉妹と実家の状況を共有した
  • [ ] 誰が管理しているか確認した
  • [ ] 誰が費用を負担しているか確認した
  • [ ] 年間の維持費をざっくり把握した
  • [ ] 売る、貸す、残す、保留について家族の考えを確認した
  • [ ] 家族会議で話す項目を整理した

相談先

  • [ ] 自治体の空き家相談窓口を確認した
  • [ ] 地域包括支援センターを確認した
  • [ ] 司法書士、税理士、弁護士などの相談先を確認した
  • [ ] 不動産会社や空き家管理サービスに聞きたいことを整理した
  • [ ] 片付け業者に相談する前に残す物を分けた

次にできること